外堀の水は全部抜かない!江戸城外堀に突如あらわれた浮島の謎。
江戸城外堀に突然、重厚な浮島が現れた!
江戸城には皇居の周りを取り囲む内堀(内濠)とその外枠を囲む外堀(外濠)がありました。時が過ぎ、外堀の大部分は埋め立てられてしまいましたが、赤坂から四ツ谷、市ヶ谷、飯田橋、そして神田川にかけて、その趣は残っています。
ある日、市ヶ谷と飯田橋の中間にある新見附橋から、JR中央線の列車が行き交う風景を撮影していると、何やら外堀に浮島が出現!
外堀の向こう側には外堀通りがあり、車両の通行制限をしながら、大きなクレーン車で資材を浮島に運び入れていました。
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江戸城外堀の水質改善を目指す「しゅんせつ工事」
外堀通りまで行ってみると工事の目的が看板に書かれていました。
「しゅんせつ工事」というもので、外堀に堆積したヘドロを除去し、水質を改善することが目的のようです。
掃除機みたい。
水質が悪化する仕組みや浚渫(しゅんせつ)工事がどのようなものかの解説も分かりやすくイラストで描かれていました。
掃除機のお化けのようなものでヘドロを吸引し、牛込堀経由で神田川まで引かれたパイプで送泥。神田川からは土運搬船で東京湾の埋め立て地に運ばれるようです。
要塞のような重機の浮島「吸引圧送船」
浮島があらわれはじめた次の日、要塞のような重機の島ができあがりました。これが「吸引圧送船」と呼ばれるもののようです。
さらに数日後、配管の取り付けも終了し、いよいよ作業がはじまりました。掃除機のお化け「吸引圧送船」が活躍します。
一連の流れを動画にまとめましたので、その様子をYouTubeでご覧ください。吸引圧送船でヘドロを吸引しているシーンは 5:20 ぐらいから始まります。
外堀の水は全部抜かない!江戸城外堀の水質改善を目指す「しゅんせつ工事」。
2020年東京オリンピックでは、すぐ隣の外堀通りがマラソンのコースになっています。
オリンピックまでにキレイな水の外堀に生まれ変わるといいなあ。野生の動物たちも過ごしやすい町へ。
最近テレビで人気の番組「池の水ぜんぶ抜く(テレビ東京)」で取り上げられないかなあと思っていましたが、どうも調べてみると、この浚渫(しゅんせつ)工事の費用は約9億円だそうです(隣り合う市ヶ谷濠と牛込濠も含みますが)。さすがにひとつのテレビ番組では難しそうですね。
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