かっきぃーの雑記帳

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半沢直樹は二度 楽しめる。半沢ロスになってしまったら池井戸潤小説を。

人の生き方を軸にした企業小説、池井戸潤の世界

2013年にTBS系で放映された『半沢直樹』は、リアルタイムに見ていなかったものの、「倍返しだ!」という決めゼリフとともに世間を賑わしていたので、よく覚えていました。

やられたらやり返す、倍返しだ!!

原作者の池井戸潤に興味を持ったのが、『半沢直樹』の2年後、これまたTBS日曜劇場で放映された『下町ロケット』(2015年放映)。

陰謀渦巻く企業を舞台に、正しい信念を貫き、共感する仲間を増やし、大きな悪に立ち向かう勧善懲悪ストーリーにハマり、以降、池井戸潤小説を読みまくっています。真実に近いフィクションともいえるリアルな情景がたまりません。

 

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半沢直樹』との出会い

池井戸潤小説を読みまくっているそんな中、台湾出張のホテルでテレビをつけてみると『半沢直樹』(2013年度版)が放映されていて、途中の2話を見たのが『半沢直樹』との出会い。

ちゃんと日本語版でした。

中途半端に2話みたもんだから、その前後が気になり、日本に戻ってから、即刻、半沢直樹シリーズを読みまくることにしました。

ただ、『半沢直樹』の本を探すも、なかなか見つからない。それもそのはず、原作は「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」というタイトルだから。

今は『半沢直樹』の表記を加えた文庫本も売っています。

この原作はストーリーはテレビドラマと同じものの、元銀行員(三菱銀行)の経験がかなり生きているのか、銀行を取り巻く問題点の描写とそれを取り巻く人間模様が緻密正しいことを貫く半沢直樹の姿勢に共感する人々。そして、一難去って、さらなる大きな一難。それらが幾重にも交錯する深いストーリーが魅力。

登場する企業はすべて架空だが、どれも見たことあるような企業で、現実世界とリンクし、真実のようにも見える臨場感もよい。

どこの企業とは言わないが。

一般的にテレビドラマ化されると、どうしても小説ほどの細やかに表現しきれず、残念な気持ちになることもあるのですが、TBS日曜劇場『半沢直樹』は違う。

2冊分を約10週にまとめるわけなので、たしかに略さざるをえない面も多いのですが、それにも増して、堺雅人香川照之をはじめとする俳優陣の個の魅力決めゼリフ、そして、アドリブと魅せ方が小説とは異なる。

あと、顔芸!

やられたらやり返す、倍返しだ!!」も確かにテレビドラマとは微妙に表現が違うものの、その違いを楽しむことも一興。

オレは基本的に性善説だ。相手が善意であり、好意を見せるのであれば、誠心誠意それにこたえる。だが、やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。十倍返しだ。そして――潰す。二度とはい上がれないように。浅野にはそれを思い知らせてやるだけのことさ

(「オレたちバブル入行組」池井戸潤

たしかに、雰囲気が違う。テレビはテンポと迫力で、小説は文章表現で心に訴える。

このように、『半沢直樹』はテレビドラマだけでなく、小説だけでなく、どちらも楽しめるわけです。

「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」を読んだ後、続けざまに今回の2020年版の原作である「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」まで読んでいましたので、現在放映中の日曜劇場『半沢直樹』は2度目の楽しみです。

今回は特に、市川猿之助まで出てきて、迫力と臨場感を出しまくっていますし、適度に散りばめられている歌舞伎の要素がまたスパイシー。

今週末は最終回なので、半沢ロスになる人が続出する予感。そんな方にはまず、半沢直樹シリーズの小説を読むのがよいと思われます。おすすめ。

 

TBS日曜劇場『半沢直樹』2013年版の原作

オレたちバブル入行組

大志を抱いてバンカーとなり、今では大阪西支店融資課長を務める半沢直樹。ある時支店長命令により五億円もの融資を行った会社があえなく倒産した。融資ミスの責任をすべて半沢に押し付け、醜い保身に走る浅野支店長。沸き上がる怒りを抑えながら、半沢は巨額の債権を回収するすべを探る。やられたら、倍返し――ここから痛快リベンジ劇が始まる!
(「Books出版書誌データベース」より)

 

オレたち花のバブル組

栄転した営業本部で、今度は百二十億円もの巨大損失を出した伊勢島ホテルの立て直しを命じられた半沢直樹金融庁黒崎による粗探しにも似た“検査”に備えつつ、再建計画を急ぐ中、赤字ホテルへ融資を続けた銀行側に疑念を持ち始める。この伏魔殿の奥で糸を引くのは誰か。「やられたら、十倍返し」の半沢、それがまさかの……!?
(「Books出版書誌データベース」より)

 

TBS日曜劇場『半沢直樹』2020年版の原作

ロスジェネの逆襲

経営難のホテルチェーンを見事立て直した半沢直樹。しかし、出る杭は完膚なきまでに打たれるかのごとく、すぐさま子会社・東京セントラル証券へ出向の辞令が。出向先へ転がり込んできた、有名IT企業による買収話。難易度の高い案件ながら、もし首尾よく買収に成功すれば巨額の収益が見込まる。その利益に目を付け案件を分捕りに来たのは、まさかの親会社・東京中央銀行だった……! 能力はあるも、どこか世間を倦み、上司への失望を隠せない若いロスジェネ世代とともに、半沢は卑劣な親会社のエリートたちに戦いを挑む。人事が怖くてサラリーマンが務まるか! 大人気シリーズ第三弾。
(「Books出版書誌データベース」より)

 

銀翼のイカロス

IT企業間の大きな買収案件を落着させ、子会社・東京セントラル証券から東京中央銀行に復帰した半沢直樹。今度は、破綻寸前の錆びたナショナルフラッグ・帝国航空の立て直しを命じられる。その矢先、政府主導の再建機関から、500億円にもなる帝国航空の借金を帳消しにせよと持ち掛けられ、半沢がノーと言えば、お国からだけでなく、行内のあちこちからも睨まれ、憎まれ、脅され、四面楚歌に。そんな中、半沢はもっとも近寄ってはいけない行内のある問題に気づくが。シリーズ累計550万部突破、説明不要の「半沢直樹シリーズ」第四弾!
(「Books出版書誌データベース」より)

 

隠れた半沢直樹シリーズ

『花咲舞が黙っていない』(池井戸潤)に、なにげに半沢直樹が登場。東京第一銀行と合併して東京中央銀行半沢直樹シリーズ)となる前の産業中央銀行の行員として登場。いい役回りをしています。こちらもおススメです。

 

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