「徹底したこだわり」と「信頼」がブランドになる
先日、使わなくなったウイスキーの樽材をつかって、小物から家具までさまざまなものを作っている「樽ものがたり(サントリー)」を紹介しました。今回は、その続きのお話を紹介したいと思います。
あくまでも本業で稼ぐスタンス
ウイスキーの樽は高級家具に使われるホワイトオークの柾目材でできており、木目がすっごく美しく、この重厚感がたまりません。なので、その材料を使った家具はもちろんクオリティがよくなるわけです。
さらにそれだけよいクオリティにも関わらず、樽ものがたりシリーズの価格は他の同等のものよりも価格は低めに抑えられて、あくまでも本業で稼ぐスタンスなのかなと感じていました。
サントリーは創業者鳥井信治郎が言った「利益三分主義」が原点になっており、こういった積み重ねがブランド力の源になっているのではないかと思います。
利益三分主義
利益の3分の1はお客さまへ、そしてもう3分の1は社会に還元すべき
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樽ものがたり の徹底したこだわり
実際、購入したダイニングテーブルとチェアを見てみますと、支柱いっぽんをもってしても、重みがあり、しっかりとした造りになっています。
森で100年、樽で50年過ごしてきた木材がさらに家具として、これから50年、100年と使われていくスケールってすごくないですか?
すごい。スケールが大きい!
こういった、積極的に利益を社会に還元する考え方や上質のものを提供するといった
徹底した「こだわり」
に感動し、今までのサントリーという会社のイメージが一新しました。また、この積み重ねがブランドになっているのだという実感も湧きました。
思わず、株主になりたいと思いました。残念ながら非上場だったけど。
上場していたとしても、株式を取得するお金はないやろ!
問題が発生したときに真価が試される
そんなある日、サントリーから「樽ものがたりに関するお詫びとお知らせ」という手紙が届きました。
「樽ものがたり」ブランドとして販売していたイス・ベンチ・ソファの一部に樽材が
使用されていない商品があり、私の購入したものもそれに該当するという内容でした。
ただ、もともと購入する前に見ていたカタログには「材特有のそりなどの発生を考慮して樽材以外を一部使用しております」と書いてあり、また、使用した材も通常、高級家具に用いられている品質・安全性の高い柾目のオーク材だそうなので、個人的にはまったくもって問題ないと思います。
しかし、サントリーは事実を把握できていなく、適切なご説明ができていなかったと
お詫びの言葉が書かれていました。
さらにはお詫びの品として「山崎12年」が、添えられていました。ここまで徹底した対応には驚きました。
今回は、私にとっても全く問題ない案件でしたが、顧客のことを考え、また、自分たちのスタンスを考え、ここまでの対応のできる会社はやはり信頼できます。
よく、「少しでも信頼を裏切れば、一気に信用を失う」という言葉を聞きます。もちろん、アタリマエのことですが、最近の多くの企業の不祥事は、「信頼の裏切り行為が常態化し、あるところで、それがバレてしまう」というパターンが多いようです。
そういった考え方だから、対応も悪くなり、さらに叩かれてしまうという悪循環。これは避けられないことだと思います。そもそも上手く対応できる会社は、そもそも大きな不祥事を起こさない。
「徹底したこだわり」と「信頼」がブランドになる。
これは会社経営だけでなく、個人の一人ひとりにも当てはまることだと思います。自分自身にもブランド力が備わるようにがんばっていきたいものです。
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