かっきぃーの雑記帳

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絶望を乗り越える!産業スパイ小説・鷹野一彦シリーズ「太陽は動かない」「森は知っている」「ウォーターゲーム」(吉田修一)

絶望の中でも、最後まで生きることを諦めない!

産業スパイ小説というのを初めて読破しました。
しかも、シリーズ3部作をすべて完読。

産業スパイは、私にとってあまり馴染みがない業界!

馴染みがあっても困る!

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謀略・誘惑・疑念・野心・裏切りが交錯。誰が敵で誰が味方かが分からず、そして、敵と味方が日々刻々と変わっていく複雑さで展開が読めないハラハラ感。

忍び込みのドキドキ感、時々差し込まれる生死を分ける綱渡り。絶望。でも、最後まで任務を、生きることを諦めず、そこから生き抜くアクション・シーン。このスピード感が病みつきに。

人を信じる、信じない。さみしさ。絆。出会い。裏切り。覚悟。金。性愛。名誉。幸福。重厚な人間ドラマも見どころ。

複雑な状況での的確な判断が求められる世の中を生き抜くヒントも!

スパイになるための勉強にもなる!(かも)

そんな、産業スパイ小説・鷹野一彦シリーズ3部作「太陽は動かない」「森は知っている」「ウォーターゲーム」、おススメです。

 

ちょっと難しいと感じる人はシリーズ第2弾「森は知っている」を初めに読むのがおススメ。

当初、シリーズ第1弾「太陽は動かない」から読み始めたのですが、ホーチミンベトナム)、上海・敦煌の砂漠、ウイグル(中国)、韓国、アメリカ、日本、、と舞台が大きく、かつ、テーマが国家レベルのスケール。誰がいいもんで、誰がワルもんかも分からず、私の理解力を超えてしまったので、途中で読むのをやめ、先に第2弾「森は知っている」を読んでみることにしました。

カタカナの人名と地名に慣れていないのもある。

第2弾「森は知っている」は、主人公・鷹野一彦が17歳の頃の物語で、駈け出しの産業スパイとして登場。生い立ちや産業スパイになるまでの背景、主人公の所属するスパイ組織がどのような組織なのかも分かる。第1弾「太陽は動かない」の登場人物もちらほら出てきて、人物と人物の関係性や人柄なども把握することができ、読みやすかった。

こうやって、第2弾「森は知っている」を読み終わった後、第1弾「太陽は動かない」を読むと、よく分かる、よく分かる。複雑さの奥にある面白さにたどり着けました。

辛いキチム鍋を食べたとき、痛辛いだけで、美味しく感じなくても、生たまごを投入するとマイルドになり、辛さに隠れた美味しさを感じるようになるのと一緒!

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鷹野一彦シリーズ、味付けが異なって楽しめる!

鷹野一彦シリーズは産業スパイもので、情報の取り合い、奪い合い。味方のような敵のような関係。謀略・誘惑・疑念・野心・裏切りありの人間模様。そして、窮地に陥り、生死をさまよい、そして、あきらめずに次の一手を考え抜く頭脳と覚悟。

このような基本的な枠組みは同じだけど、それぞれ味付けが異なって楽しめます!
そんな鷹野一彦シリーズ第1弾~第3弾を紹介します。

太陽は動かない

油田開発利権争いの渦中で起きた射殺事件。産業スパイ組織AN通信の鷹野一彦は、部下の田岡とその背後関係を探っていた。目的は機密情報を入手し高値で売り飛ばすこと。商売敵のデイビッドと謎の美女AYAKOが暗躍し、ウイグル過激派による爆破計画の噂もあるなか、田岡が何者かに拉致された。息詰まる情報戦の末に、巨万の富を得るのは誰か?産業スパイ“鷹野一彦”シリーズ第1弾!

(「BOOK」データベースより)

 

 

鷹野一彦シリーズの第1弾。謀略・誘惑・疑念・野心・裏切り、生死を分ける危機的状況とスピード感あふれる脱走劇。広くアジアを舞台に広げた大きなスケールが魅力。

 

森は知っている

南の島で知子ばあさんと暮らす十七歳の鷹野一彦。体育祭に興じ、初恋に胸を高鳴らせるような普通の高校生活だが、その裏では某諜報機関の過酷な訓練を受けている。ある日、同じ境遇の親友・柳が一通の手紙を残して姿を消した。逃亡、裏切り、それとも―!?その行方を案じながらも、鷹野は訓練の最終テストとなる初ミッションに挑むが…。

(「BOOK」データベースより)

  

 

第1弾「太陽は動かない」の背景となる主人公・鷹野一彦の青春期の物語。どのようにして産業スパイになったのか。悲惨さと愛情が入り混じる駆け出し時期の心の葛藤。

「俺のことを覚えててほしいんだ」という言葉にある覚悟と寂しさ、生きている証、そして、未来へ続くストーリー。

駆け出し時期といっても、息を飲むスリルたっぷりのスピード・アクションシーンは健在!

ウォーターゲーム

突如ダムが決壊し、濁流が町を呑み込んだ。水道民営化の利権に群がる政治家や企業による爆破テロ! ?秘密組織エージェントの鷹野一彦と田岡亮一は次の爆破計画を阻止するために奔走するが、事件の真相に迫るスクープ記事が政財界を揺るがす大スキャンダルを巻き起こす。テロの首謀者は、そしてこの情報戦を制する者は誰か。シリーズ三部作完結!

(「BOOK」データベースより)

  

 

たんなるシリーズの1話ではない。第1弾、第2弾を踏まえたストーリー。もちろん、第3弾から読んでも楽しめるが、第1弾、第2弾に続いて読むと、相乗効果で面白さが倍増する面もある。

おすすめです。 

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